「ほう。スピードじゃ負けねー…か」

何故か老人達は、一層ニヤニヤ笑い出した。

「なんだよっ!何がおかしいんだよ」

いきり立つ少年達に老人達から思いがけない提案が出された。

「ならばバイクで勝負じゃ。この公園から港までの往復。真っ直ぐな道が一キロ。受けて立つかの」
「はぁ?バイクで?正気かよ」

「その代わり、負けたら二度と公園には来んといてもらお」
「その言葉、忘れんなよ。賢!お前のNS400出せ」

「任せろ。なぁ爺さん、俺は速いよ。あきらめなよ。誰がやるんだい?」

「わしじゃよ」

出てきたのは160cmほどのお爺さんだ。
「はぁ?足届くんかよ。カブとかじゃねぇだろな」
少年達がゲラゲラと笑い出した。

「まぁ待っときなさい」

声援を受けながら、駐車場へ向かう。
数分後、腹に応える排気音が聞こえてきた。

「なんだよっ!あの音っ!」

驚く少年達の前に大型のバイクが現れ、止まった。

「このバイクなら足つきはクリアじゃよ」

「な…んでジジィがVmaxなんてデケェの転がしてんだ」

小柄な老人はメットを被りながら言った。

「バイクは体で乗るもんじゃあんめぇ」
電磁ポンプのスイッチを入れる。
「魂で乗るもんだ」
五へ