焦燥を隠せない捜査
陣に翔太が声を
荒げ、問い詰めた。
「どうなんだ。何か
出て来たのかよ!」

その声を掻き消す
ようにラックの吠える
声が庭から聞こえて
きた。

翔太の顔色が
変わった。
まさか…見つかる
わけがない。
あれだけ念入りに
焼いたんだ。
そして、かなり深く
まで埋めた。

だが、松田と共に
屋敷に入ってきた
ラックがその口に
咥えていたのは、
翔太が埋めたはずの
ポーチであった。

「これ、鑑識に回せ。
金属部品は残って
いる。メーカーを
特定できるはずだ。」

「なんで。なんでその
ポーチが見つかった
んだ…」

松田はニヤリと笑うと
言った。

「確かにポーチからは
何の臭いもしない。
だがね、西村さん。
あんた、埋めた場所
まで空を飛んでいった
わけじゃないだろ。
歩いていっただろう。
ラックが嗅いだのは、
あんたの足跡だよ。
この広い敷地内で、
あんたの臭いは迷わず
に一直線に向かって
いた。
そしてその行き着いた
先にこれがあった。」

「だが、そのポーチ
だけで俺が犯人とは
特定できないだろう。
自分で買ったポーチ
かもしれないじゃない
か。」