妖怪の中には、何が目的なのか
よく判らない者達がいる。
その内の一人、小豆洗いに会いに
いくことにした。

小豆洗い、またの名を小豆とぎ。
新潟県糸魚川周辺に良く出没するという。

現地に向かう汽車の中で、私の目を
惹く青年がいた。
逆モヒカンとでも言うのだろうか…
真ん中が禿げたサリーちゃんのパパのような、
電撃ネットワークの南部虎弾のような…
大変に目立つ男であった。

私は好奇心に弱い。
特に、それがややこしい事なら尚更だ。
話しかけてみることにした。

「あの。隣空いてますか?」

「はい?…えぇ。空いてるようですけど」
隣が空いてるどころではない。
車内には私達しか居ないのだ。

「私、旅の記事を書いている者で
つくね、といいます。」

「つくねさん」

「ええ、おかしな名前ですけどね。
以後お見知りおきを。」

私は名刺と共に、買っておいたビールを
差し出した。


二へ