「あちゃ。やっぱり見つかった。」
「お前がガサガサ、音立てるからじゃねぇか。」
「何を言う、われの方こそ!」

「止めなさい。三人とも。」
先生がぴしゃり、と叱りつける。

しゅん、とうなだれる三人に、
「どういうつもりですか。死ぬかもしれないのですよ」

「止めても無駄だな、猫殿。その者達、いずれも
命を捨てる覚悟は出来ているようだ。
連れて行くしかない。」

「あ、ありがとうございます、十兵衛様!」

それでもなお、苦々しく三人を見つめている先生だったが、
やれやれ、とばかりに尻尾を振った。

「猫殿。良い仲間を持ったな。」

「困ったもんです。…本当に。困ったやつらです。
さて、それでは参りましょうか。みなも離れるな。」

先生は海に向かい、細く長く鳴いた。
と、海面が渦を巻きだす。 
その渦の中心から、大きな黒い頭がぬるりと現れた。