「誰からだろ」
真之はソファーに座り、伝票を調べた。

「え」

送り主は崎谷由紀恵。
亡くなった妻からである。

引きちぎるようにリボンを解く。
膝の上で、包装紙にじゃれつく玉三郎を下ろすと真之は箱を開いた。

首輪とシステム手帳が出てきた。
首輪には、玉三郎へと書いたカードが結わえてある。

システム手帳に添えられたカードには、メリークリスマス!だーりんと書かれてあった。

妻の字だ。
懐かしさと悲しみが混ざり合って真之を襲う。

おそらく、店に頼んでクリスマスイブに届くようにしてあったのだろう。
何気なく手帳を広げ、カレンダーを繰った。

2月15日 真之さん誕生日。この日があったから、あなたと出逢えました。神様に感謝!


4月22日 私の誕生日。
プレゼントは二週間前から受け付けてます。


5月5日 玉三郎がやって来た日。
長生きしてほしいなぁ…

6月23日
結婚記念日。
忘れんなよっ!
いつもありがとう。
これからもずっと大好きです。


真之は手帳を胸に抱きしめ、幼い子供のように声をあげて泣いた。

妻は確かに生きていた。生きて、言葉を残していった。
そして今は居ない。
やっと、心がそれを認めたのだ。


玉三郎は新しい首輪を気に入ったようで、ソファーで丸まり、喉を鳴らしている。


真之は、もう一度手帳を開いた。

「ありがとう。もう大丈夫。ちゃんと歩いて行くから。胸を張って君に逢えるように」

ペンを走らせ、先ほどのページに『次の人生でも』と書き加えた。


窓の外に白いものがちらつく。
また、雪が降り始めた。
真之には、それが妻からの贈り物に思えて仕方なかった。




少し早いですが、いつも来てくれている貴方に、つくねからメリークリスマスです。

つくねは皆さんが大好きです