来週の頭に彼女は旅立つ。
三日しか無い。
走って行けば一日足らずで着く距離だが、チャイは飼い主の虐待の為、右足があまり言うことを聞かないのだ。
体を騙し騙し、歩いていくしか無かった。
足の裏は何度も血にまみれ、固くなった。
時折、意識が飛ぶ。
進む距離が落ちてきた。
それでもチャイは休むことなく、前に進み続ける。
彼を支えたのは、彼女への想いと、福への感謝だ。
くじけそうな時は、まず尻尾を高く上げた。
彼女が旅立つ日まで残り一日を切った。
チャイは夜も寝ずに歩き続けた。
もはや気力だけで動いている。
そして最後の日の夜明け前。
薄い水色の空を朝日が染め始める中、チャイは大山田駅に着いた。
静かな朝を切り裂くように、最後の力を振り絞って遠吠えする。
一瞬遅れて、みゅうの遠吠えが聞こえた。
チャイは足の痛みも忘れ、その遠吠えに向かって走り出した。
嬉しさのあまり、チャイも吠え続ける。
二匹が呼び合う声が徐々に近づいていく。
緑に溢れた庭の片隅に、夢にまで見た彼女がいた。
千切れんばかりに尻尾を振っている。
垣根をひとっ飛びに乗り越えようとして失敗し、チャイは彼女の前に転がり込んだ。
くすくすと笑いながら、彼女は優しくチャイの鼻にキスをした。
三へ
三日しか無い。
走って行けば一日足らずで着く距離だが、チャイは飼い主の虐待の為、右足があまり言うことを聞かないのだ。
体を騙し騙し、歩いていくしか無かった。
足の裏は何度も血にまみれ、固くなった。
時折、意識が飛ぶ。
進む距離が落ちてきた。
それでもチャイは休むことなく、前に進み続ける。
彼を支えたのは、彼女への想いと、福への感謝だ。
くじけそうな時は、まず尻尾を高く上げた。
彼女が旅立つ日まで残り一日を切った。
チャイは夜も寝ずに歩き続けた。
もはや気力だけで動いている。
そして最後の日の夜明け前。
薄い水色の空を朝日が染め始める中、チャイは大山田駅に着いた。
静かな朝を切り裂くように、最後の力を振り絞って遠吠えする。
一瞬遅れて、みゅうの遠吠えが聞こえた。
チャイは足の痛みも忘れ、その遠吠えに向かって走り出した。
嬉しさのあまり、チャイも吠え続ける。
二匹が呼び合う声が徐々に近づいていく。
緑に溢れた庭の片隅に、夢にまで見た彼女がいた。
千切れんばかりに尻尾を振っている。
垣根をひとっ飛びに乗り越えようとして失敗し、チャイは彼女の前に転がり込んだ。
くすくすと笑いながら、彼女は優しくチャイの鼻にキスをした。
三へ