先生一行は、元居た寺に戻り着いていた。
早速、竜馬の行方を探すべく、都中の猫に伝令を飛ばす。
猫達は普段使わぬ遠吠えを駆使し、たちまちのうちに竜馬の居所を
探し当ててきた。

「先生、猫ってのも遠吠えするんですな」
感に堪えぬように油すましが言う。

「うん。滅多に使わないからね、知らなくて当然さ。
よほどの猫好きしか知らないことだよ」

先生は軽やかに寺の階段を上ると、門に向かって声をかけた。
「一反木綿。のっぺらぼう、そこに居るのでしょう。出て来なさい」

なんだ、あいつらも来たのか、と驚く仲間達の前に、
おずおずと両名が現れた。

「えへへ、やっぱり気付かれてましたか」
悪びれもせず言うのっぺらぼうに対して、一反木綿は
心底、恐縮している様子である。

「お前等、勝手な真似を」
進み出ようとする油すましを抑え、先生がふわりと前に出た。
「まぁいいでしょう。その代わり、自分の体は自分で守るのですよ。
いいですね」