よたよたと歩く犬が居た。
かなりの老犬である。
元々は白かった毛並みが薄汚れて灰色になっている。
老犬は、明子に気付くことなく、違う道を進んで行く。
『なぁ。案内人さん』
『なんだい、吾郎さん』
『わしな、あの犬になれんかのぅ?』
案内人は、目を伏せたまま答えた。
『出来る…よ。でも、大変だよ。あの犬と来世を交換しなきゃならない』
『というと?』
『あの犬は、すぐに人間に生まれ変われる。
でも、吾郎さんは、しばらくは犬として生きていかなきゃならない。
犬として徳を積まなきゃならない。
人になれるのは何世も先になるよ』
吾郎は、なんだそんなことかと鼻で笑った。
『そんなことぐらいで良いなら、早速やってくれい』
これ以上説得しても無駄だと判断したのだろう、
案内人はその大きな翼を一振りすると、銀色に光る杖を取り出した。
『本当に良いんだね?』
『かまわん。今までありがとな、世話ぁかけた』
『吾郎さん…がんばってくださいね』
案内人が杖を振った。
途端に吾郎は気が遠くなる。
再び気付いた時、彼は犬になっていた。
かなりの老犬である。
元々は白かった毛並みが薄汚れて灰色になっている。
老犬は、明子に気付くことなく、違う道を進んで行く。
『なぁ。案内人さん』
『なんだい、吾郎さん』
『わしな、あの犬になれんかのぅ?』
案内人は、目を伏せたまま答えた。
『出来る…よ。でも、大変だよ。あの犬と来世を交換しなきゃならない』
『というと?』
『あの犬は、すぐに人間に生まれ変われる。
でも、吾郎さんは、しばらくは犬として生きていかなきゃならない。
犬として徳を積まなきゃならない。
人になれるのは何世も先になるよ』
吾郎は、なんだそんなことかと鼻で笑った。
『そんなことぐらいで良いなら、早速やってくれい』
これ以上説得しても無駄だと判断したのだろう、
案内人はその大きな翼を一振りすると、銀色に光る杖を取り出した。
『本当に良いんだね?』
『かまわん。今までありがとな、世話ぁかけた』
『吾郎さん…がんばってくださいね』
案内人が杖を振った。
途端に吾郎は気が遠くなる。
再び気付いた時、彼は犬になっていた。