夜勤明けで帰宅。
しばしの間、昼寝する。

起きてうどんを食べた。
コタツの向こう側で、若様と娘が無心に遊んでいたのだが、二人ともが遊ぶのを止めて俺をジッと見ている。

「おねーちゃん」

「なぁに」

「なんで、うどんって言うの」

「それはね。昔々ある所にウーさんという男がいたのよ」

「うん」

「そのウーさんがドンドン食べたからうどんって言うの」


「へぇー」


…そうだったのか。


「さ、若様。続けましょう」

「うん」

娘は、メモ帳に描いた人間や猫を切り抜いて、即席の人形劇をやっていたのだ。

「待って、早紀ちゃん!いいえ、もう遅いのよ。あなたとの事はもう終わったの」

若様、ワクワクしながら聞いている。

おもろいやないか。

幼い頃、俺は娘にせがまれて、よく即興の御伽噺を聞かせてやったのだが、その成果が実を結んだと見える。

娘の作った波瀾万丈の話を聞きながら食べたうどんは、なかなかのものでした。