「ほっほっほ。やはり、子供じゃの」
肩から生えた二つの首が同時に喋る。福の神を名乗るにしては、
あまりにもおぞましい姿である。
「おまえら、絶対に許さねぇ」
低く抑えた声が太郎丸の怒りの深さを如実に表している。
斬月を肩に構え、回転し始めようとした太郎丸に焦りの色が浮かんだ。
「どうした?先程までの勢いが無いようだの」
「くるくると回られてはどうかの」
回れないのだ。あまりにも長い斬月は、部屋の中での戦闘には向いていない。
しかも、この部屋には要所要所に柱がある。
これでは太郎丸の得意技が使えない。
斬月は、本来が野戦用の武器である。
野戦場において、馬もろとも人を切る刀なのだ。
この部屋の中は、あまりにも狭い。
「来ないのか。ならばこちらからいくぞ」
「のう、まずはその邪魔っけな犬畜生から始末せぬか」
「妙案。参る」
二つの首は大きく口を開けた。
鋭く尖った舌が、韋駄天目掛けて左右から挟みこむように伸びる。
飛び上がって逃れる韋駄天の後を追うように舌が伸びていく。
だが、いくら変幻自在に動こうとも、韋駄天の動きは常にそれを上回った。
身を捻った韋駄天が舌に噛付く。
たまらず、寿老人は舌を引いた。
九十七へ
肩から生えた二つの首が同時に喋る。福の神を名乗るにしては、
あまりにもおぞましい姿である。
「おまえら、絶対に許さねぇ」
低く抑えた声が太郎丸の怒りの深さを如実に表している。
斬月を肩に構え、回転し始めようとした太郎丸に焦りの色が浮かんだ。
「どうした?先程までの勢いが無いようだの」
「くるくると回られてはどうかの」
回れないのだ。あまりにも長い斬月は、部屋の中での戦闘には向いていない。
しかも、この部屋には要所要所に柱がある。
これでは太郎丸の得意技が使えない。
斬月は、本来が野戦用の武器である。
野戦場において、馬もろとも人を切る刀なのだ。
この部屋の中は、あまりにも狭い。
「来ないのか。ならばこちらからいくぞ」
「のう、まずはその邪魔っけな犬畜生から始末せぬか」
「妙案。参る」
二つの首は大きく口を開けた。
鋭く尖った舌が、韋駄天目掛けて左右から挟みこむように伸びる。
飛び上がって逃れる韋駄天の後を追うように舌が伸びていく。
だが、いくら変幻自在に動こうとも、韋駄天の動きは常にそれを上回った。
身を捻った韋駄天が舌に噛付く。
たまらず、寿老人は舌を引いた。
九十七へ