コカカカカカ、と院長が笑う。

「そうさ。シャワーだよ。ただし」

天井に設置された放出口から、白い煙が
噴出され始めた。
雄司はボタンのそばにある酸素マスクを被っている。

「出てくるのは、二酸化炭素だ。機械室にある
消火設備は水なんか出ないんだよ。
物凄い濃度の二酸化炭素が出るんだ」

院長が膝をついた。
「魔物でも、息をしている限りは、ほんの数分で死ぬよ」

「く、くそっ、このガキっ!」
院長の顔がチアノーゼを起こして紫色に変わる。
喉をかきむしり、酸素を求める。

「もう少し、院の消火設備を勉強しとけば良かったのにね」
雄司がマスクの下で快心の笑みを浮かべた。

「ばかな、この私がこんなガキに」

「フリーターをなめんじゃねぇ。この高額所得者め」

院長は最後に獣のような咆哮を上げ、息絶えた。

へなへなと腰を下ろす雄司。
「い、急がないとあいつらが危ない」
酸素マスクを外す手間も惜しみ、雄司は階段に向かった。