「違うだろうがっ!
いいか、素性も知れぬ
おまえさんをここまで
育てたんだよ?この
夫婦は。」

演出の鬼と呼ばれた
高田氏の声が響く。

「その夫婦と二度と
会えないかもしれない
んだろうが!だのに
何よ、その演技は。
頼むよ俺を泣かせろよ~」


あんたが泣いたら、
鬼の目に涙だ。
舞台上の皆が、そう思っていた。


「はい次行くよ!
旅の仲間との出会いだからね。」


入念なメイクを施した
役者が現れた。

一応、ファンタジーだから手は抜けない。

「高田さん、ポスター
仕上がりました。」

「どれ見して。…
イイじゃないの。」

『カナリアようちえん はっぴょうかい ももたろう』