二人とも一気に生ビールを飲み干し、熊特製の味噌漬け豆腐を食べる。

「なにこれ。」

「すごい。美味しい」

熊は自慢気に微笑む。
「美味しいだろ。でもね、本当の豆腐ってのはこんな小細工は要らない」

「本当の豆腐?」うきゅが首をかしげる。

「あぁ、この先にあるだろ、八田豆腐店。あそこの豆腐を
食べちゃったら、よそのは食えない」

「あたし知ってるー」とよしぞうが手をあげた。

「食べてみたいなぁ…」

うきゅのその声が聞こえたかのように、店にはっちゃんが入ってきた。
弟と二人連れだ。

「熊さん、久しぶり。これお土産」
はっちゃんが鍋を差し出す。
受け取りながら熊は、うきゅとよしぞうに笑いかけた。

「二人とも、本当の豆腐が来たぞ」
二人だけではなく、店中から歓声が湧いた。
熊の隣で、いぶも小さく拍手していた。
七へ