「もっともっと作らなきゃ、明日絶対に晴れにするんだ」
不器用な奈緒が、懸命に作ったてるてる坊主は五十を超えていた。
家中の白い布は、ハンカチも布巾もタオルも総動員だ。
片付けさせようとして、博史は気づいた。
白い布の所々に血が滲んでいる。
指が切れたのではなく、紐を結わえる時に傷ついたという。
それでもなお、母とのハイキングを夢見て、作り続けたのだろう。
博史は奈緒の横に座ると、残った布でてるてる坊主を作り始めた。
「よし、もっと作ろうな。シーツどこだっけか」
それから一時間。
家の全ての窓にてるてる坊主が揺れていた。
翌日。
朝から激しい雨であった。
部屋の灯りを点けようともせず、奈緒は膝を抱えている。
なんと慰めれば良いのか模索する博史の耳に、懐かしい声が届いた。
「あらあら、なに?真っ暗じゃないの」
由香里であった。
暗闇に一筋の光が差し込んだようだ。
奈緒も満面に笑みを浮かべ、駆け寄っていく。
不器用な奈緒が、懸命に作ったてるてる坊主は五十を超えていた。
家中の白い布は、ハンカチも布巾もタオルも総動員だ。
片付けさせようとして、博史は気づいた。
白い布の所々に血が滲んでいる。
指が切れたのではなく、紐を結わえる時に傷ついたという。
それでもなお、母とのハイキングを夢見て、作り続けたのだろう。
博史は奈緒の横に座ると、残った布でてるてる坊主を作り始めた。
「よし、もっと作ろうな。シーツどこだっけか」
それから一時間。
家の全ての窓にてるてる坊主が揺れていた。
翌日。
朝から激しい雨であった。
部屋の灯りを点けようともせず、奈緒は膝を抱えている。
なんと慰めれば良いのか模索する博史の耳に、懐かしい声が届いた。
「あらあら、なに?真っ暗じゃないの」
由香里であった。
暗闇に一筋の光が差し込んだようだ。
奈緒も満面に笑みを浮かべ、駆け寄っていく。