「マジかよ…」

男は機会を見つけては
良い行いを実行した。
電車では席を譲り、
落とし物は交番に届け
、近所を掃除し、
あらゆるきっかけを
見つけてはせっせと
経験値を積んだ。

おかげでゲーム内の男
のキャラは聖騎士の
称号を得る事ができた。
その頃には、男の
キャラには固定ファン
も付き、ちょっとした
ハーレム状態になって
いた。

日常生活を営んで
いてもキャラが成長
する為、男は安心して
授業を受ける事も
できるようになった。

そんなある日、いつも
の店で、いつもの
ようにログインした
男は我が目を疑った。

そこに現れたキャラは
確かに男のものだった
が、なんと全ての武装
と兵隊と金を奪われて
いた。


ネットワークゲーム内
に出没する強盗の仕業
だった。
他人のIDを読み取り、
財産や武装を全て
奪っていくのだ。


男のキャラは哀れみと
嘲笑の的になった。
調子良く経験値を稼い
ではファンの女性と
楽しげにチャットする
様子を苦々しく見て
いたゲーマー達は、
ここぞとばかりに攻撃
を開始してきた。

男のキャラはとうとう
最低の称号まで落ちて
しまった。