これでゆっくり寝られると安心し、藤沢さんは帰宅した。
居間のソファーで息子が寝ていた。

うなされている。
悪い夢でも見ているのかなと笑いかけて、藤沢さんは気づいた。
こいつ、確かあの写真を携帯で撮っていたな。

「起きろ、おい!」

「ひぃぃぃぃっ!」
悲鳴と共に目覚めた息子に、藤沢さんは恐る恐る訊いた。
女の夢ではなかったか、その女はこっちに向かって来なかったか。

「来た。もう少しで手が届きそうだった」

「手が届きそうなぐらい…」
藤沢さんは蒼褪める息子を促し、携帯のフォルダから画像を削除させた。

「父さん」
「どうした。もうこれで大丈夫だ」


「俺、あの画像、みんなに送っちゃった」