あすなろホームが見えて来た。
「よし、いよいよだぞ、いいか智?」

「うん…あれ?」

「どうした」

「駄目だ、亮太。どうしよう…さっき殴られたからかな、
物が握れない」

「え?よし、じゃあ智、僕を肩車できるか」

「駄目。肩も腫れてきた」

「判った。待ってろ、誰か連れてくる」

走り出した亮太が、もんどり打って転んだ。
「くそ、僕も足首をやられてる!」

「なんだよ、やっぱり僕達じゃダメなのか」

「サンタクロースなんて居ないんだよ、やっぱり」

「そんなことないよ」
優しい声がした。
驚いた二人が振り向くと、そこにサンタが居た。
大きな体を赤い服に包み、白い袋を担いだサンタだ。

「今から君たちのところへ行くところさ、この袋の中に
沢山入っているオモチャを届けにね。
亮太くん、どうだい?歩けるかな?」