都こんぶ食いてぇ。なんだか急に食べたくなったりしませんか。

都こんぶの誕生は昭和6年。製造販売している中野物産は、当初、自分たちで作った酢こんぶを自らの足で全国に売り歩いたそうだ。

それがある時期から全国の子供たちに、えらい速度で浸透していく。

それは何故かを尋ねてみた。

答えてくれたのは、中野物産の山科課長。

「あぁ、それはですね。紙芝居屋さんに卸したからです。」
あぁ、そうか。なるほどなぁ…

「もちろん、今は紙芝居は有りませんけどね、代わりにキヨスクには必ず有ります。」

ですなぁ…あぁ、余計に食べたくなってきた。

「あ、よろしければキヨスク祭のイベントに参加なさいませんか」

イベント?どのような。

「都こんぶ、好きなだけ食べられますよ」
やります。


「さ、こちらです」

ほほぅ。
キヨスク祭第一弾
『都こんぶだけで一週間過ごせるか』ですか。帰ってもいいですか。

「さぁさぁどうぞ」
あ。離せ。確かに食べたいけど一週間はヤだ~っ!……



どうやら気を失っていたらしい。
俺は気づいた時、都こんぶに包まれていた。

都こんぶで出来たフンドシをして、都こんぶで出来た布団に寝ている。

テレビも冷蔵庫も机も全て外装が都こんぶだ。

都こんぶだけで一週間過ごすっていうのは、こういう事か。
俺のネクタイ、こんぶのイケタクさんにピッタリの部屋なんだが。



「携帯にも貼っておきました」

うぅ。粉っぽくて打ちにくいっす。

なんとか達成した俺を待っていたのは、にこにこ顔のキヨスクのおばちゃん達であった。

「次はこっちよー」

『赤福だけで一週間過ごせるか』の看板が見えた。