「それで?なんと推測された。確定率は何%だ?」

担当者の平石は皮肉な笑みを浮かべている。
「99.99。おめでとうございます、斎田室長…と言いたいところですが」

「なんだ。勿体ぶるな」

苛つく斎田を見て平石は一層、冷笑を浮かべた。

「判明したのは操作方法だけなんですよ。どうやれば動かせるかが、周りに刻んであるんだ。まぁ、言わばマニュアルだね。」


「なんだと。作動させたらどうなるかは?」

「書いてませんね。いや、正確には一言だけ。『心に恐れ在る者は近づくべからず』だそうです」

研究所内を沈黙が包んだ。

「とにかく、上に報告だ。一応の成果は示さないとな」

だが結局、斎田は文部科学大臣に報告するかどうか、判断を迷った。

古代文字が解読できただけの事なのだ。球体その物が解明できた訳では無い。

斎田は決めた。
明日一番に球体を作動させてみよう。
なんと、総理自らが視察に来るという連絡も有った。
晴れの舞台として、これ以上の設定は望めないぐらいだ。

斎田は久しぶりに高揚した気持ちで帰宅した。

が、その気持ちも帰宅した途端に萎えてしまった。

妻が若い男の車から降りてきたのだ。


三へ