こちらから先に読むとより一層楽しめます


佳世は台所で呆然と立ちすくんでいた。

今夜はクリスマス、愛しい礼二に手作りの料理を作る約束をしていたのだ。

ところが、肝心のゲーム機が故障してしまった。
料理本など一冊も無い。
今から買いに行く暇も無い。

佳世は、必死になって部屋の中を探しまくった。

「あった!」

神は佳世を見捨てなかった。
クローゼットの奥から、一冊の料理漫画を見つけたのだ。

早速、読みふける。

「ふむふむ…幸い材料は有るわ!」

佳世が挑戦したのは、
アンコウの肝のテリーヌ、鯛の共皮あえ、伊勢海老の飛龍頭、ジュンサイのおすまし、以上。

クリスマス色0である。

「む、難しいわ」

できるわけも無く、無情に時だけが過ぎて行く。

結局、伊勢海老も鯛もアンコウも、皆、似たような色合いに仕上がった。
一般的には『真っ黒焦げ』と言う色だ。

彼女が作ろうとしたのは究極の料理と呼ばれるものである。

あぁせめて美味しんぼではなく、クッキングパパなら良かったのだが。