ところが、いくら水で洗い流しても、すぐに血が戻る。
何度洗っても、洗っても、タイルは血に塗れてしまう。
会社が始まる前に洗い流しても、終わる頃には血が
流れ出しているのだ。

怨みが残っているのだ、社内のあちこちで、こそこそと
噂の花が開いた。

清掃担当は頭を抱えた。
パートの清掃員が次々に辞めていくからである。
これは御祓いしか無いのでは、と皆の意見がまとまりかけた時。
タイルの施行業者が現れ、あっさりと謎を解決してしまった。

「外国産のタイルには作りの荒い物が有り、敷き詰めた時に
隙間が出来る場合があります。おそらく、目地の隙間から…」

そう言いながら、バールを使ってタイルを何枚か外した。
見ていた者から悲鳴があがった。

終へ