千夏の家の近くに、小さいが気持ちの良い森がある。
小鳥の楽園になっていた。
たまに、イタチらしき茶色の動物も見かける時もある。
千夏は、その森に訪れ、小鳥たちを眺めて過ごすのを常としていた。
その日も千夏は森へ向かった。
木漏れ日を浴び、ぼんやりと緑に浸る千夏は茶色い動物を見つけた。
子犬かと思ったが違った。
「狸かな」
そう呟きながら、恐る恐る突っついてみた。
「痛いっす」
弱々しい声がした。
「え」
驚いて、もう一度狸を突っついてみた。
「痛いってば。やめれ」
きゃあ、と小さな悲鳴をあげ、逃げようと立ち上がった千夏の爪先に狸がすがりついてきた。
「あぁ、待って待って。お願い、何か食べ物くらさい…もう三日も何も食べてないっす」
千夏はまじまじと狸を見つめた。
まん丸な瞳に見上げられ、思わず頷いた。
「お、おにぎりでいい?」
「充分っす」
「待っててね」
言い残し、急いで部屋に戻った。
残りご飯を温め、あり合わせの具を入れておにぎりにした。
千夏は料理には自信がある。
正確には料理以外に自信のあるものは無かった。
狸にもそれが判ったらしく、しきりに美味いなあと感心しながら瞬く間に全てのおにぎりを平らげた。
小鳥の楽園になっていた。
たまに、イタチらしき茶色の動物も見かける時もある。
千夏は、その森に訪れ、小鳥たちを眺めて過ごすのを常としていた。
その日も千夏は森へ向かった。
木漏れ日を浴び、ぼんやりと緑に浸る千夏は茶色い動物を見つけた。
子犬かと思ったが違った。
「狸かな」
そう呟きながら、恐る恐る突っついてみた。
「痛いっす」
弱々しい声がした。
「え」
驚いて、もう一度狸を突っついてみた。
「痛いってば。やめれ」
きゃあ、と小さな悲鳴をあげ、逃げようと立ち上がった千夏の爪先に狸がすがりついてきた。
「あぁ、待って待って。お願い、何か食べ物くらさい…もう三日も何も食べてないっす」
千夏はまじまじと狸を見つめた。
まん丸な瞳に見上げられ、思わず頷いた。
「お、おにぎりでいい?」
「充分っす」
「待っててね」
言い残し、急いで部屋に戻った。
残りご飯を温め、あり合わせの具を入れておにぎりにした。
千夏は料理には自信がある。
正確には料理以外に自信のあるものは無かった。
狸にもそれが判ったらしく、しきりに美味いなあと感心しながら瞬く間に全てのおにぎりを平らげた。