一人は刑事。
もう一人は精神科医。

「先生、こいつは何を叫んでいるんですか?」

「叫び声から類推すると…どうやら、彼自身の心の中に閉じこめられているようですね」

「はぁ?そんなヤワな神経の持ち主じゃないですよ、こいつは。交際を求めていた相手にふられて、車で突っ込んだ馬鹿野郎だ。」

事実だった。
男は、ストーカー行為の果てに相手の女性を殺して自分の物にしようとした。
そして、女性の勤務中を狙って車で突っ込んだのだ。

女性の職業は幼稚園の先生。
勤務とは、園児達の散歩であった。

女性と園児三名を殺し、現行犯逮捕された男は、留置場で突然意識を失った。

その結果がこれであった。

「先生、何とかならんのですか?!このままじゃ、こいつを死刑台に送れなくなる」


「…刑事さん、罪が確定しない段階で、その発言は不味いのでは?」

「かまわんです。こいつが殺したのは…俺の妹なんだ!今年から、ようやく先生になれたと喜んでいたのに」

刑事は唇を噛みしめ、男を睨みつけた。
視線で殺すことが出来ないかとでもいうように。


三へ