どうしたんすか、先生。

うん…乱蔵か。
…なんでもないよ。




嘘ですな。
先生、嘘つくと尻尾が細かく揺れるから。


ばれたか。
少しな、寂しいだけさ。
大したことじゃない。



まめ太っすか。
ほんと、あいつは今頃どこに居るのやら…


たぶんね、どこかの家でのんびり寝てるよ。
何かあったら、私には判る。
何も無いのは無事な証拠だ。

だといいっすね…




こんなことになるくらいなら、仲良くならなきゃ良かったよ、乱蔵。


…いや、それは違いますよ先生。
もしも他の家に拾われたとしたらですよ、
この家で幸せに暮らしたからこそ、人の家を怖れなかったんじゃないっすか?





だからこそ、人に怯えずに甘えることが出来るんじゃないかなぁ。
先生、あなたとの思い出は、まめ太にとって宝物です。
この家に帰ってくる為の道しるべです。


…ありがとう、乱蔵。
少し気が楽になったよ。

先生、今夜は一緒に布団で寝ますか。


そうだね。あいつの夢でも見るか。


いつまでも待ってるよ、まめ太。