判った判った、と微笑み、滝山はレシートを持ってレジに向かった。
「払っとくわ。また連絡する」
不安気な顔で見送る森田に軽く手を振り、滝山はスタジオに戻った。

「全く臆病な奴だ。呪いのビデオねぇ…ま、中身によるか」
ビデオをセットし、滝山はソファーにゆったりと腰を下ろした。

階段だ。
誰か分からないが、撮影しながら
階段を上がっている。
延々と上がり続けている。
引きずるような足音だけが聞こえる。
踊り場で一瞬立ち止まったが、さらに上を目指す。
昇りきった。

カメラは鉄の扉を撮影した。
灰色に塗られ、所々錆びている。
軋む音を立て、扉が開いた。
青空が見える。
遠くに山も見えた。

カメラは徐々に進む。
水色に塗られた金網で止まった。
画面が揺れる。
片手に持ったまま、金網を昇り始めた。
飛んだ。
凄まじいスピードで地面が近づいてくる。
フレーム一杯に広がる。

「うお。すげぇ。うまく録ってあるな」