相手が老人とみて、嵩にかかって脅しにかかる。

だが、老人は全く怯える様子も無く、勝手に音量を下げた。

「こら。なにすんだ!」

肩に手をかけて振り向かせようとしたが、びくともしない。
「な…んだ、このジジィ…」


「ほい、このぐらいで我慢しとくれ」

言い終わるや否や、綺麗に円を描いて振り向く。

手をかけていた少年は、巻き込まれるようにして吹っ飛んだ。


「おやすまん。」

「こ、このジジィ!」

全員が老人を囲んだ。

「茂さん、手伝おか」

今度は鶴のように痩せた老人だ。

「あぁ、ちょうど良い気散じじゃ、皆も呼んどくれ」

その言葉に応えるように次々に老人が現れた。

その数、六人。

全員がにこやかに微笑んでいる。
見ようによっては、かなり怖い。

「な、なんだよコイツら」

怯えた一人が、たまらずに突っかかった。

あっという間に綺麗に投げられる。

「おぉ、美しい巻き込みじゃの」

「いや、右手の返しがまだまだじゃなあ」

賑やかに声を掛け合う老人達に比べ、少年達は全く意気消沈している。

「クソジジィ、てめぇら何かやってるな」

三へ