「古い名前出すなよ。なぁ、あんた。もうルナちゃんから
離れてやってくれんか」

男の顔が真っ青だ。
「も、もちろんす、すんません」

スクーターを押して駐車場から出て行く男達を見送る
パツの耳に、ルナちゃんの嬉しそうな声が聞こえてきた。

「うそーっ!甘いほおずき?」

「そうだよ。な、だから決めつけちゃダメだよ。
人生ってやつを。食べてみなきゃ判らないことだって
たくさんあるんだよ。苦いだけ、なんて有り得ない。
それに、君のこと応援してる人は、実はやたらと多いんだよ」

はは、かっこいいな悟郎さん。
パツは軽く敬礼を投げかけ、いそいそとバイクにまたがった。

チキン南蛮が山盛り待っている。
何よりも、お節介な熊が喜んでくれるのが一番の褒美なのだ。


パツは黄色い熊の灯り目掛け、走り出した。