ペット専門の葬祭業者は見つけたが、結局、恭一郎は自らの手でふさ丸を火葬場に運んだ。
土手を通り、柿の木の広場に立ち寄る。

「ごめんな。散歩、行きたかったよな」

しばらくして、恭一郎は姉に運転を替わってもらった。
母の前で声をあげて泣いたのは小学三年生以来だった。



ふさ丸が白い煙になって空に上っていく。
その先に、気の早いオリオン座がいた。

リゲルとベテルギウス。恭一郎が初めて覚えた星の名前だ。

オリオン座は変わらずに、そこで輝いていた。

煙が星雲と重なり、夜空を薄く覆った。

ふさ丸が空に居てくれる。

その想いは、恭一郎をようやく笑顔に戻したのだった。