「お姉ちゃん、気が
ついたんだね。
よかった…」
「え?拓人?
拓人、どうしたの
その肩!まさか、
まさか私が?!」

初音は呆然と
拓人を見つめた。
細い腕に歯型が
付いている。

意識を乗っ取られて
いたとは言え、
大好きな弟に傷を
負わせてしまった。

「…許せない。
許せない、もう怒った。
あんた達、どういう霊
か知らないけど、もう
怒ったからね!」

  おもしろいわ
  あなたになにが
  できるというの
  なにがわかると
  いうの
  あなたも親の手で
  殺されなさい!

その言葉と同時に
初音の首を真美が
絞めに来た。

「やめるんだ、真美!
気をしっかり持て。」

ぼろぼろの裕二が
かろうじて立ち上がり
二人の間に割って
入った。真美の頬を
平手で打つ。

  くそ。しつこい
  おとこだ。
  いいかげんに
  あきらめろ

「うるさい。俺たちは
もう一度、やり直す
んだ。絶対に、
家へ帰るんだ。」