世の中には不思議なことも有るものだ。
省吾は、卒業式の後に撮影した写真を見て、つくづくそう感じていた。
省吾が密かに憧れていた寺崎弥生の写真である。
花のように微笑むという言葉は、弥生の為にあるのだと、その写真を見るたびに思う。
ところが最近、奇妙な事に気づいた。
写真の中の弥生が動いているのだ。
午後5時48分、弥生の唇が動きだす。
何事かを告げるように、しばらくの間、動き続けて止まる。
初めて発見した時は、恐怖の悲鳴をあげたが、落ち着いて考えると怖いことなど無い。
むしろ、その奇跡を喜んで受け入れた。
弥生が死んだなどという噂は無い。
してみるとこれは、彼女の強い想いが起こした奇跡である。
じっくりと見ているうちに、何と言っているのか判り始めた。
『しょうごくん、すきよ』
唇は確かにそう動いている!
そうか。弥生ちゃんは、俺の事が好きなのか。
はは、参ったなぁなどとこぼしながら、
省吾は頭を掻いた。
午後5時48分、今日も彼は、いつものように写真の前に座った。
さっさと気持ちを打ち明ければ良いのだが、それは怖くて出来ない。
ラストへ
省吾は、卒業式の後に撮影した写真を見て、つくづくそう感じていた。
省吾が密かに憧れていた寺崎弥生の写真である。
花のように微笑むという言葉は、弥生の為にあるのだと、その写真を見るたびに思う。
ところが最近、奇妙な事に気づいた。
写真の中の弥生が動いているのだ。
午後5時48分、弥生の唇が動きだす。
何事かを告げるように、しばらくの間、動き続けて止まる。
初めて発見した時は、恐怖の悲鳴をあげたが、落ち着いて考えると怖いことなど無い。
むしろ、その奇跡を喜んで受け入れた。
弥生が死んだなどという噂は無い。
してみるとこれは、彼女の強い想いが起こした奇跡である。
じっくりと見ているうちに、何と言っているのか判り始めた。
『しょうごくん、すきよ』
唇は確かにそう動いている!
そうか。弥生ちゃんは、俺の事が好きなのか。
はは、参ったなぁなどとこぼしながら、
省吾は頭を掻いた。
午後5時48分、今日も彼は、いつものように写真の前に座った。
さっさと気持ちを打ち明ければ良いのだが、それは怖くて出来ない。
ラストへ