「右腕が少し傷まないか?
そこに点滴の針を刺した。
ただし、何かを入れる為ではない。
血を抜く為だ。
大丈夫。あと8時間は持つだろうな。
ゆっくり、ゆっくりと抜けていくからね。
だんだんと眠くなり、死に至る。
それまであの音を聞いていられるかな」

ピチョン。

「良い音だ。もう、ペットボトルに一本溜まった。
もう少し、節制した方がいいなぁ。血がドロドロだ。
さて、何本溜まるまで持つかな」

その言葉を聞いた途端に牧田は吐き気をもよおした。
「吐きそうか。気のせいだな。まだまだ
嘔吐に至るほどは失血していない。
もどしたいだろうが、なるべく我慢する方がいいだろうな。
血が無くなるまでに、息が詰まるかもしれん。」

「頼む。やめてくれ、何でも言う」
牧田は元々、弱い男だ。
これ以上、耐えられそうに無かった。

「いいだろう。ならば告白しろ」

牧田は必死になって告白を始めた。
聞いているだけで、牧田の異常性が
如実にわかる。

「だから俺は礼子を殺したんだ。
逃げる礼子を背後から刺した。
何度も何度も。まさか生きていたなんて」

五へ