治癒師を目指すコトタンとネムは、村の診療所で実地訓練を始めた。
単純な骨折や、浅い外傷などは既に空で暗唱できるようになっている。
元々、二人とも人の世話を焼くのが好きなのだ。
その事は治癒師として最も大切な資質であった。

創造の魔法を学ぶギンは、抜群のセンスを見せた。
特に、彼が作る刃物は講師ですら目を瞠った。

記憶の魔法を司るディは、このところ毎日、村の図書館に
通い詰めている。
記憶の魔法は全ての事象を調べていくことから始める。
粘り強く、真摯な態度が何よりも必要である。
ディはその二つとも兼ね備えている少女であった。

闘いの魔法は、なかなか厄介である。
ケンは炎系の魔法に強く、アカツキは水系の魔法に
秀でている。
互いに切磋琢磨し、その腕を磨けば良いのだが、
二人はそれこそ火と水の如く相容れなかった。
闘いの魔法を極めようとしている者同士が争うことは、
大変に危険な行為である。
闘いがエスカレートし始めた時、間に入ってなだめるのは
テリシアの役目であった。

テリシアは、母の魔法を毎日見ている。
正しい食というものが、人の体のみならず心までも育てていくことを
目の当たりにしていた。
喧嘩が収まらない時、彼女は黙って食事を作り始める。
その香りがケンとアカツキの間に割って入り、
いつの間にか二人は並んで食事を始めてしまうのだ。