家を去り際、縁側に座る老人が見えた。
佳美がホロのスイッチを入れたらしい。
少しノイズが混ざる映像が現れた。
優しげな老婦人が『あなた、朝ご飯ですよ』と
呼びかける。
無表情だった老人の顔が朗らかに輝いた。
「あいよ、今行く」
元気に立ち上がり、台所に向かった。
「なるほどね、すごいもんだ。」
感心する俺の横で玲子が目を潤ませていた。
「どうした?」
「あのホロを撮影してる時ね、奥様物凄く痛かった
筈なのよ。末期癌だったから。でもあんなに優しい顔で、
優しい声で…」
俺は黙ったまま車を走らせた。
しばらく進んでから大切な事に気づいた。
「しまった」
「なぁに?」
「朝ご飯ご馳走になるの忘れた」
今度は頬を叩かれた。
八へ
佳美がホロのスイッチを入れたらしい。
少しノイズが混ざる映像が現れた。
優しげな老婦人が『あなた、朝ご飯ですよ』と
呼びかける。
無表情だった老人の顔が朗らかに輝いた。
「あいよ、今行く」
元気に立ち上がり、台所に向かった。
「なるほどね、すごいもんだ。」
感心する俺の横で玲子が目を潤ませていた。
「どうした?」
「あのホロを撮影してる時ね、奥様物凄く痛かった
筈なのよ。末期癌だったから。でもあんなに優しい顔で、
優しい声で…」
俺は黙ったまま車を走らせた。
しばらく進んでから大切な事に気づいた。
「しまった」
「なぁに?」
「朝ご飯ご馳走になるの忘れた」
今度は頬を叩かれた。
八へ