「そんな者がいきなり三反もの畑を賄えると思うかの?」
良太郎は黙り込んだ。
言われてみればもっともである。
彼は病弱な母親と二人きりの生活である。
父が亡くなった時、借金のかたに田んぼは全て父方の縁者に奪われた。
今ではそこには立派な家が立ち並ぶ。
いつかはまた自分の田んぼをと願う母子ではあるが、
良太郎は少し知恵が遅れている為、村の雑用しかやらせてもらえない。
ささやかな稼ぎだけでは、日々を暮らすのがやっとであり、
再び田んぼを持つまでには到底至らなかった。
「な、だからまず花を植えて土地の使い方を練習してみろ。
種は村で用意してやるから、好きな花を言え。
花は売れるからな、上手くいったら金をやる」
貞治は手短に結論を言い渡すと、ばたばたと帰って行った。
良太郎は胸を張って家に帰り、母に話した。
母は手放しで喜び、良太郎の一番大好きな『頭を撫でる』をしてくれた。
翌朝、母が作ってくれたおむすびを二つ持ち、良太郎は畑に向かった。
畑には貞治が待っており、リヤカーと道具を渡すと、
またもやあたふたと帰って行った。
「よし、やるぞっ」
大きく気合いを入れる。軍が使っていた土地というだけあり、
そこいら中が廃材の山である。
良太郎は黙り込んだ。
言われてみればもっともである。
彼は病弱な母親と二人きりの生活である。
父が亡くなった時、借金のかたに田んぼは全て父方の縁者に奪われた。
今ではそこには立派な家が立ち並ぶ。
いつかはまた自分の田んぼをと願う母子ではあるが、
良太郎は少し知恵が遅れている為、村の雑用しかやらせてもらえない。
ささやかな稼ぎだけでは、日々を暮らすのがやっとであり、
再び田んぼを持つまでには到底至らなかった。
「な、だからまず花を植えて土地の使い方を練習してみろ。
種は村で用意してやるから、好きな花を言え。
花は売れるからな、上手くいったら金をやる」
貞治は手短に結論を言い渡すと、ばたばたと帰って行った。
良太郎は胸を張って家に帰り、母に話した。
母は手放しで喜び、良太郎の一番大好きな『頭を撫でる』をしてくれた。
翌朝、母が作ってくれたおむすびを二つ持ち、良太郎は畑に向かった。
畑には貞治が待っており、リヤカーと道具を渡すと、
またもやあたふたと帰って行った。
「よし、やるぞっ」
大きく気合いを入れる。軍が使っていた土地というだけあり、
そこいら中が廃材の山である。