年の瀬ってのは、何故こんなに慌ただしいのだろう。

朝から延々、仕事に追われ続けていると、幼かった頃の正月が思い出されてならない。

街は今より静かだった。早くから営業を終える店が多く、年始から開いてるのはパチンコ屋ぐらいなものだ。

積雪は背丈を遥かに超え、まるで町全体が雪洞のようだった。

神社の周りだけは念入りに除雪され、初詣の善男善女を出迎える。

俺は母から貰った十円玉を汗ばむぐらいに握り締め、賽銭箱へと向かう。
いつも願うのは、家族が皆元気にということ。

家に戻ると、温かい雑煮と、もっと暖かい母の笑顔が待っていた。

長じると、雑煮の替わりに酒と数の子が待つようになった。

けれど、初詣の願い事は変わらず家族の健康。


今、年末年始など関係なく仕事をこなしている。
幸い、大晦日は家でゆっくりできそうだ。

初詣に行こう。

願い事は相変わらず家族の健康だ。


来年も元気で頑張んなきゃ。

今年は、自分の夢に少しだけ光が射し込んだ。
それが朝焼けの光なのか、それとも蝋燭の最後の足掻きなのかは判らないが、信じていくしかない。





(撮影・娘)