雅夫は思い切って言った。

「ナギと…エリー…」

「シドか…」

「あんた達が…」

「何だよ、勉強しろしろって言っときながら」

父と母が揃って口を尖らせた。
「お、大人には息抜きが必要なんだ」

「そ、そうよそうよ」

雅夫を負けじと口を尖らせる。
「子供にだって必要だよ。何だよ、母さんなんて何がエリーだよ!しかもコスチュームがバニーちゃんて」

「あら、江梨子だからエリーじゃないのよっ!
バニーちゃんは魅惑の魔法が掛けやすくなるのよっ!
あんたこそ何がシドよ。モンゴリアン丸出しの顔して!」

「まぁまぁ二人とも」

「ナギは黙ってて!」

はぁはぁはぁ。
三人が互いを見据えて荒い息をついた。


「雅夫」

「何だよ父さん」

「もう少し魔法の勉強もしなさい」


「……はい」
久しぶりに雅夫が素直に頷いた。


「とりあえず明日8時な」

「わかった」

「遅れずにね」


「あ、母さん」

「何ですか父さん」

「バニーは止めなさい」

「……はい」