「やっぱり雄司くんだ。ねぇ、友香!雄司くんよ!」

「友香?」聞き馴染んだ名前を耳にし、雄司が
顔をあげる。
そこに居たのは、在学当時憧れていた友香であった。

「な…んでここに」

「きゃーっ!運命の出会いよ、友香!」
麻理が飛び跳ねる。

「早く、こっち来なさいよ」
泉美も叫ぶ。

「ち、ちょっと待ってよ」
そして友香が雄司の前に押し出された。

「あ。友香ちゃん、ひ、久しぶり」

「あ、どうも」
お互いに照れる二人を見ながら、残りの
三人はヒューヒューとからかう。

「どうよ、あたしのおかげで二人は出会えたのよ」
理沙が胸を張った。

「それとこれとは違う」
泉美が裏手て突っ込みを入れる。

「あ、あたし達、卒業旅行でここに来たの」

「あ、そうなんだ。卒業か…おめでと」

「雄司君は?いつからここで働いてるの」

「ちょっと前。あ、立ち話してたら怒られるんだ。
良かったら後で話せる?」

「うん、いいよ」
おいおい、わたしらはどうすんのよ、と
三人が抗議の声をあげる。

「あいつら無視していいから」
友香が笑いながら答えた。

「とりあえず、どうぞ、我が病院へ。怖いよ?」

笑いながら言う雄司に、
「平気。愛の力は何物にも負けないのよ」
と麻理が友香の背中越しに答えた。

「ばっか!麻理」
きゃいきゃい騒ぎながら病院へ入っていく。

四人を見送る雄司は、秘密の部屋の事を
すっかり忘れていた。