「はぁ?呪いのビデオだってか。ちょっと古くねぇか」
「いや、マジらしいよ、これは。何人も消えたらしい。
噂によるとクラスのほとんどが消えたとか」
チーフディレクターの滝山は、苦笑いしながら
森田の手からビデオを受け取った。

「で?おまえ、中身確かめたんだろうな」

滝山の目を避けるように森田は俯いた。
「いえ。かなりヤバイって聞いたんで…」

「おまえねぇ、んなイイ加減な代物を使えってのか」
渋い顔付きながら、滝山は満更でも無い様子だ。
とにかく今は一本でも多くネタが欲しい。
昨今のジャパニーズホラーブームも勢いが無くなってきている。
売れるうちに売っておきたいというのが、滝山の正直な思いだった。

「滝山さん、俺ね、これ持っては来たけど、正直迷ってる。
実は、消えた奴の中に、メールしながら観てたのがいてね。
そいつは一番最後のメールで、こう言っていたらしい。
『森だ。何だ?真っ黒な影だ。人の影だ。何十人もいる。
そこら中に立ってる』
で、そのメールを受け取った女の子んとこに、いつの間にか
このビデオが現れたんだってさ。
その子、怖くなって俺んとこに持ち込んできた。
滝山さん、あんたが観るのは勝手だけど、発売はやめた方がいいかも」