「おや、山岡さん、芦田ぶっちょーから聞いてないの?
今までに無い麻薬だ、これはすごい、こいつは世界中に売れる、
そう言って喜んだよ」

「馬鹿な!俺はそんなこと聞いてない、これはガンの特効薬だと」

「はっはっは、葉っぱなんかでガンが治るかね。まぁ、痛みを忘れるには
良いだろうがね」
村長の哄笑に導かれたように、村人全員が笑い始めた。
笑い声は錐になって山岡に突き刺さってくる。

「やめろ、やめろ!くそ、おまえら全員シンガポール政府に通報してやる」

笑い声がピタリと止んだ。

「山岡さん、それは止めるがいいよぉ。さっきも言ったでぃすよ、外国人でも
キューって死ぬ死ぬ。芦田ぶっちょーが手を回してるからね、
何かあったら全部あんたがキューだよ」
マークがニヤニヤと笑いながら言った。

「それに、森の人も許さないだろうし」
村長が自らの言葉を恐れるように、小さく呟いた。

「森の人?」

「そうだ。毎晩、訪れる猿が居るだろう。あれが森の人。
この葉っぱを金にする為にわしらは森の人と取引をした。
わしらも良い暮らしがしたいんでね。
森の人は、生贄を差し出すなら構わないだろうと仰ったのだ」

『ホッホッホホゥゥゥ』

森の奥で聴きなれた声がした。
「喜んでなさる。思いの外、あんたが美味かったらしい」

こいつらは何を言ってるんだ。
美味い。
何が。