天井和男。57歳。20歳の頃からラジオ番組用の効果音作りに
携わってきた生粋の効果マンである。
彼に出せない音は無いと言われた。
馬の足音、犬の声、嵐、波などは当たり前。
哀しみ、喜び、怒り、迷い、絶望などの感情や、
「こうもっとドバァっとした感じ」のような抽象的な注文にすら音を付ける。
正に音の匠である。
その和男が今、悩みに悩んでいた。
自分の娘からの注文を受けたのだ。
千尋からの注文、それは結婚式に使う効果音であった。
和男は、千尋の誕生の時から見事な効果音を付けてきたのだ。
出産した瞬間の効果音は、その場にいる者全てに深い感動を与えた。
字で表現するのは難しいが、敢て書くとこうなる。
『ずっぴょーんんんきらきらきらぁっ!』
咄嗟の思いつきで始めた、娘の人生の効果音であったが、
これが和男の匠心に火を点けてしまったのである。
小学校に入学する朝。
背中でランドセルを躍らせながら、千尋が走る。
そのバックにも和男は効果音を付けた。
これも敢て表現するとこうなる。
『きょろりろりろんん♪しゃわしゃわしゃわ~』
喜びの中にも、親としての責任を添えた素晴らしい効果音であった。
携わってきた生粋の効果マンである。
彼に出せない音は無いと言われた。
馬の足音、犬の声、嵐、波などは当たり前。
哀しみ、喜び、怒り、迷い、絶望などの感情や、
「こうもっとドバァっとした感じ」のような抽象的な注文にすら音を付ける。
正に音の匠である。
その和男が今、悩みに悩んでいた。
自分の娘からの注文を受けたのだ。
千尋からの注文、それは結婚式に使う効果音であった。
和男は、千尋の誕生の時から見事な効果音を付けてきたのだ。
出産した瞬間の効果音は、その場にいる者全てに深い感動を与えた。
字で表現するのは難しいが、敢て書くとこうなる。
『ずっぴょーんんんきらきらきらぁっ!』
咄嗟の思いつきで始めた、娘の人生の効果音であったが、
これが和男の匠心に火を点けてしまったのである。
小学校に入学する朝。
背中でランドセルを躍らせながら、千尋が走る。
そのバックにも和男は効果音を付けた。
これも敢て表現するとこうなる。
『きょろりろりろんん♪しゃわしゃわしゃわ~』
喜びの中にも、親としての責任を添えた素晴らしい効果音であった。