三人の様子を微笑みながら見守っていたじいさんは、
おもむろに言いました。

「スマンが、わしは残るよ。残された
オモチャ達を最後まで励ましてやらにゃあならん。
それに…もしかすると、最後に佳枝ちゃんの
顔が見られるかもしれん」

じいさんは、こんな姿になってもまだ、佳枝ちゃんに
逢いたいのです。
三人は、それ以上言う言葉を無くしました。
黙って頭を下げると、じいさんに別れを告げました。

まず飛び降りたのがゴローです。
ゴローをクッションにして、アイビーもリリカも無事、飛び降りました。
後は広場に向かうだけです。
こんな夜遅くなら、オモチャ達だけで歩いていても、
おそらく誰にも見つからないでしょう。
三人は急ぎました。もう夜中の二時です。
ホッホーじいさんがサンタを見たのは、二時半ということでした。

急ぐあまり、三人は後をつけられている事に気づきません。
三人の後をつけているのは、この辺りで一番の暴れん坊の
猫でした。
猫はゆっくりと近づき、素早く三人に遅いかかりました。

「きゃぁぁぁっ!ね、猫よ」
猫は、一番華やかな色を持つリリカを獲物と決めたようです。
大きく、一つ飛び跳ねると、あっという間にリリカを壁に追い詰めました。

九へ