「くそ、何なんだよあの爺さん達」

少年達は、バイクを押しながら公園を出た。


その時、少しだけ横を見たら、古ぼけた何かの像がある事に気づいただろう。


先程の老人達は、少年達を見送ると、その像の掃除を始めた。

「ほい、綺麗になった」

「わしらのアイドルじゃからの、綺麗で当たり前じゃ」

その像は、老人達の担任の先生であった。

まだ中学生だった彼等をいつも暖かく見守っていた先生であった。

バイクを乗り回したり、喧嘩に明け暮れたりで退学寸前の彼等を体を張って守ってくれたのだ。

大きな地震が町を襲った時、先生は倒れてきた建物から生徒を守って命を落とした。

それが今日なのだ。

「いつもニコニコと笑っていたのぅ…」

「あれから色々あったが、わしらがこうして居られるのも先生のおかげじゃ」

「さて、先生の好きだったモーツァルトをかけようで」


静かな公園にモーツァルトが流れる。


あれほど強い老人達が頬を濡らしていた。