想像してみて欲しい。
あなたは生まれつき、耳が聞こえない。
他人の言葉は勿論、音楽なんて聴いたことがない。
声の出し方すら判らない。
そんなあなたは歌うことが出来るだろうか。

答えはNOであろう。
音を出すには、自分の中に基準となる音が必要になる。
その基準音が無い者に、歌など歌える筈が無いのだ。


中村清美という女性がいる。
彼女は生まれつき耳が聞こえない。
ジェット機の飛び立つ音が辛うじて聞こえる程度だという。

けれども彼女は歌う。
佐々木厚という男性と共に、アツキヨというデュオで彼女は歌うのだ。

昨夜、ある番組で偶然、アツキヨの特集を見た。
言葉に尽くせないほど心が震えた。
後から後から、涙が溢れてきた。

歌おうと決めてから、七年もの歳月をかけて彼女達は努力に努力を重ねた。
いつ出来るか、あても無い賭けである。
途中で挫けそうな時はファン達に励まされ、彼女は文字通り一生懸命に
練習を続けた。

結果。

彼女の口から歌が溢れたのだ。
何リットルもの汗と涙から生まれた奇跡であろう。


俺は、いつもこのブログで笑顔の強さ、優しさを書いてきた。
それは間違ってはいなかった。
彼女の笑顔を見ていると、本当に心からそう思う。

今日も一日が始まった。
他人に迎合し、適当にお茶を濁し、見えない所で陰口を叩き、
努力する者を鼻で笑い、どうせ無駄無駄とやる前から諦める。
そんな一日だけにはしたくない。

中村清美さんを見ていて、単純な俺はそう思ったのだ。

さて、俺は行く。
あんたはどうする。