「涼子。池田君って下の名前、何ていうか知ってる?」

「え?池田君て今来た子でしょ?地味だからジミー君て言われてる子だ。
確か…俊輔だったんじゃ…」

「池田俊輔。いいじゃん。名前まで好みじゃん」

「あ。あんたまた。なぁんて惚れっぽいのよ」

次の日から里美は俊輔のことを友達に聞いて回った。
幸い、故郷が同じという子が居た為、地味な生活の理由が判った。

故郷には、以前教師だった父親が一人居たが、俊輔が入学した年に亡くなった。
仕送りは一切もらっていない。
学費から何から全部、バイトで賄っているという。

「そうまでして何になりたいっていうの?」

「学校の先生。」

「はぁ?」

「普通の学校じゃない。奴が行こうとしているのは、ルワンダ」

「…どこよ、それ」

相手はとことん呆れたようだったが、地図を書いて説明してくれた。

「なんでこんな遠いとこに」

「奴の父親が作った学校があるんだよ」

俊輔の父は、ルワンダに学校を作り、教師をしていたらしい。

体調を崩し、帰国したまま帰らぬ人になった。

俊輔は、その学校に行くのだという。

四へ