「友達がほしいなぁ」
ほんとは、友達と一緒に仲良くやって
いきたいのでした。

そんなある夜、森に一人の旅人がやって来ました。
赤い帽子の下から優しげな目が覗いています。
旅人は、とんがり小僧が住む樹の側に座ると、
ポケットからオカリナを取り出して吹き始めました。

山鳩に似た丸い、優しい音が聴こえてきます。
石で出来ているような、冷たい色のオカリナですが、
その音は、透き通って夜空に溶けていきます。
とんがり小僧も思わず聴き惚れてしまいました。
旅人は、オカリナを吹きやめると、樹の上を見上げました。

「なぁ、そんなところで聴いてないで、こっちへおいでよ」
にこにこと優しげな微笑で旅人が誘いました。

おずおずと、とんがり小僧は樹の上から降りてきました。
「ダメなんだ。おいら、人に近寄れない。
おいらが近寄ると、みんなイライラツンツン尖ってしまう。
おいら、一人ぼっちじゃないとダメなんだよ」

旅人の優しそうな顔が不思議そうな顔に変わりました。
「イライラツンツンだって?そりゃいいや、そんな気持ちを丸くまぁるく
してしまうのが僕のオカリナなんだ。さ、こっちへ来た来た」

三へ