『ロレンツィオのオイル』という映画がある。(DVDで入手可)
副腎白質ジストロフィーという難病に侵された息子を
助ける為に、何の医学知識も持たない両親が
必死で医学書を読み漁り、とうとう病気の進行を止める
薬を見つけ出すという映画である。
これは実話に基づいており、映画のラストシーンで
この薬のおかげで助かった子供達の映像が次々に流される。

もともと涙もろい俺が、只で済むわけがなく、観終わった時には
涙と鼻水でグショグショになってしまった。

この夫婦、決してスーパーマンなどではない。
いがみ合い、涙し、くじける時だってある。
けれども、絶対に諦めない。
この映画が、同じ病に苦しむ人達に与えた勇気と希望は
計り知れないと思う。

さて、ここからは独り言。

闘病を描くのは難しい。
人の死が日常的に溢れている世の中だからこそ、
それを描くのは難しい。
特にノンフィクションともなると、実際に闘ってきた人達の
歴史があるが故に、単なるお涙頂戴物にしてはならないと思う。
ましてや、単なる金儲けの道具ではないのは確かだ。
亡くなられた人は、他人に泣いて欲しいと思って闘病してきたわけではないだろう。
一日でも多く、一秒でも長く、生き続けていたいと熱望したに違いない。
残された者は、その命の火の輝きを私心無く伝えていくだけでいい筈だ。
それには映画などという手段を選ぶ必要は無いのではないだろうか。

最近、頻繁にCMが流れている、或る邦画に対して抱いた感想だ。
既に書籍があり、ドキュメンタリーも放映されているにも関わらず、
映画化され、関連グッズまでもが販売されていると聞く。

故人が残したかったメッセージが、間違いなく伝わることを願う。