斉藤が言うには、望みを言わない限り、何度捨てても戻ってくるらしい。

斉藤に猿の手を譲った男も、何度も捨てようとしたのだという。

だが、その都度、手は戻ってきた。
捨てる度に悲劇の度合いを増して。

「怖がりのおまえが、良くそんな物を受け取ったもんだ」

私の嘲りに斉藤は渋い顔で答えた。

「…宅配便で来たから」

私は思い切り笑った。
「常から意地汚い真似をするからだ。送り返せばいいじゃないか」


「自殺したんだよ。家族の葬儀の帰りだったってさ。」

私は笑うのを止めた。
「マジか。…それで、おまえは何を望んだんだ?」

白井は渋々答えた。
「ゴミ箱の中を空っぽにしてくれ」

すると突然、ゴミが燃え上がったという。ゴミ箱どころか家が無くなるところだったらしい。

二つ目は、「テーブルの上のクルミを割って欲しい」

天井から照明器具が落ちてきて、クルミを叩き割った。
頭も叩き割る予定だったらしい。

「それで?三つ目は」


斉藤はニヤリと笑い、こう言った。

「白井の願いを叶えてやって欲しい」

私は、なるべく冷静に聞こえるように言った。
「やるじゃないか。素敵なプレゼントをありがとう」

三へ