「このメギドはん、八百年前にな、いっぺん世界を征服しかけた」

「いや会長かなわんな、ほんのまぐれ当たりですやんか」

恐ろしい顔付きのくせに、乙女のように恥じらう姿が気色悪い。

「せやからな、方法論はバッチリやねん。あと、手下とかも在庫があるねんて」

「や、あんなん大したことおへん。お湯かけて三分間やから。」


会長は手書きのポスターをホワイトボードに貼り付けた。

「一応、こないな手筈やし。メギドはんに知恵借りました。町内行事期間の三日間で北半球は何とかなります。」


「ほたら何でっか。町内会長はん、魔王になるんだっか」

「いやいや、わしには任が重い。先も長ない。
ここは一つ、若い方に任せたい」

ならば、と投票が始まった。

悪い予感は見事に当たった。

「芳川はん、23票。ほたら魔王は芳川はんに決定。芳川はん、あんじょう世界征服しとくなはれ」
俺が口ごもっていると、中谷のおっさんが余計な提案をしやがった。

「会長はん、芳川はんが見事、世界征服を成し遂げた折りには」

「ふむふむ」

「会長はんとこの娘さんをお嫁さんにしてもろたらどないだす」