「よっしゃあ。できた」
直美は、お正月の飾り付けが終わった売り場を満足気に見渡した。
後は、元旦を待って門松と鏡餅を飾るだけだ。

既に売り場には、お年玉を目当ての子供達が下見に来ている。

キラキラと輝く瞳で一心に見つめている。

クリスマスと違って、ラッピングに苦労しない分、気が楽と言えば楽だ。

その時、カウンターの電話が鳴った。

「はい、平和屋森島店玩具売り場でございます」
電話の向こうは、何やら慌ただしい空気が流れていた。

『すいません、ちょっとお伺いしますが、そちらの売り場にはまだクリスマス用品は有りますか』
妙な事を尋ねてきた。

「…少々お待ちくださいませ」

対応に迷った直美は、谷山主任に相談した。

「クリスマス用品?うーん…有るかなぁ…電話変わるよ」

谷山は、直美から子機を受け取ると一呼吸置いて電話に出た。

「お電話代わりました」
はぁ、なるほど、と谷山は頷いている。
かなり長い間話し込んでいる。

「判りました。直ぐに探してお持ちします」

(え?受けるの?)

振り向くなり谷山は、驚いている直美に指示を出した。

「片っ端から電話して。クリスマス用品を集めてくれないか」

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