「くそ、電気が無ければただの箱じゃないか!
家族は無事だろうか…せめて現在地だけでも
知らせる事が出来たらなぁ…ほんの三分だけで
いいんだが」

背後で何か音がした。
振り返ると、アールが胸のパネルを開け、
何かのコネクターを差し込もうとしている。

「アール、何やってんだ?」

『ワタクシハ ヒカリデンチデ ウゴキマス。
スコシナラ デンリョクヲ オワケデキマス』

「本当か?そんなこと出来るのか?!
ありがとう、アール」

アールが接続を完了した。
通信機器にパワーが戻った。

「よし、そのまま頼むよ…こちらFS社のコスモス号操縦士の
伊田真吾。修理の為、A26-8開発基地に不時着した。
救助を要請する。食料もあと僅かしかない。
返事は二週間後のこの時間に頼む。…家族にも知らせてくれ」

送信。返事が返ってくるのは、二週間後だ。
救援隊が到着するのが早くとも一月後。
それまでは何とかしてこの惑星で暮らしていくしかない。
とりあえず、もう少し詳しく、基地を探せば何かが見つかるかもしれない。
断腸の思いで通信機器を切る。